「タイヤ交換って簡単?」
「何を準備すればいい?」
「交換手順やコツを教えて!」
この記事では、スノーボード歴20年以上、現役インストラクターの筆者が次のことを紹介します。
- 自分でタイヤ交換する3つのメリット
- 自分でタイヤ交換する手順とコツ
- タイヤ交換の後にやるべきこと3選
春と冬の年2回、必ず「タイヤ交換」というイベントがあります。
春はスタッドレスからノーマル(夏タイヤ)に、冬はノーマルからスタッドレスに履き替えますが、筆者はいつも自分でタイヤを交換します。
面倒に感じることもありますが、慣れればタイヤの小さい軽自動車の作業時間はほんの1時間です。
もし自分でタイヤ交換をしたことがない人は、たくさんのメリットがあるのでぜひこの記事を参考にしてチャレンジしてください。
1.自分でタイヤ交換!3つのメリット
自分でタイヤ交換すると多くのメリットがあります。
メリット①お金の節約
1つ目は、お金の節約につながることです。
自分でタイヤ交換すれば、店に頼んだ場合の作業工賃を節約できます。
カーディーラーやガソリンスタンドでも交換できますが、店舗や車種によっては料金が高くなります。
各社のウェブサイトによると、タイヤ交換にかかる費用は以下のとおりでした。
店名 | 作業工賃 (税込) | 作業時間 |
---|---|---|
イエローハット | 1,100円~ | 20分~ |
オートバックス | 1,100円~ | 15分~ |
タイヤ館 | 770円~ | 不明 |
※店舗や車種によって料金は異なります。
確かに自分でタイヤ交換するには特別な工具が必要で初期費用もかかります。
ですがこれらの工具を購入しても長く使えてすぐ元が取れるのでお得です。
筆者は2万円以下で全ての工具を揃えました。
タイヤ交換の費用を1回5,000円とすると2年で約2万円(5,000円×年2回×2年)となり、2年で元が取れる計算です。
メリット②時間の節約
2つ目は、時間の節約につながることです。
店に頼むと先ほどの表の作業時間に加え、混雑時の待ち時間や車を預けている時間なども余計にかかります。
自分でやれば店の営業時間を気にせず好きなタイミングで作業できるので時間を有効活用できます。
タイヤ交換は車の維持管理の中でも比較的簡単で、自分で行える作業の1つです。
メリット③メンテナンスのスキルアップ
3つ目は、車のメンテナンススキルが向上することです。
自分でタイヤを交換する技術があると、道路上や非常時に自分で対応できます。
急なパンクやタイヤのトラブルが発生したとき、知識やスキルがなければパニックになって最悪交通事故につながることもあります。
自分でタイヤ交換することで車に対する理解が深まり、いずれワイパー交換やウォッシャー液の補充などほかのメンテナンスも行えるようになります。
2.使った道具と事前準備
筆者が自分で行ったタイヤ交換を例に、まずは使った道具と事前準備について説明します。
- 交換車両 スズキハスラー(軽自動車)
- 交換時期 2023年12月上旬
- 作業場所 自宅の駐車場
- 作業時間 約1時間(準備から片付けまで)
①タイヤ交換に使った道具
タイヤ交換に使用した道具を紹介します。
油圧式ジャッキ
油圧式ジャッキは、レバーの上げ下げによる少ない力で車両を持ち上げる工具です。
車両に最初から付属している手で回すタイプのジャッキは使い勝手が悪いです。
トルクレンチ
トルクレンチは、設定した締め付けトルクでホイールナットを締める工具です。
なくても作業できますが、これがあると時間と労力を大幅に減らせます。
ナットを締める力は車種ごとに指定されているので、取扱説明書などで確認が必要です。
クロスレンチ(十字レンチ)
クロスレンチ(十字レンチ)は、十字型の工具でナットを締めたり緩めたりするのに使います。
L字型のレンチだと力を入れにくく疲れるので十字型がおすすめです。
軍手(グローブ)
軍手をすれば作業がラクですし、汚れ、寒さ、ケガからも手を守ってくれます。
寒い日のタイヤ交換は手の感覚がなくなりかなり辛いです。
力を入れやすい滑り止めタイプがおすすめです。
マイナスドライバー
マイナスドライバーでタイヤの溝にはまった小石を取り除きます。
この作業をやっておけばタイヤの損傷を防ぎ長く使えます。
シャワーノズル
シャワーノズルで交換したタイヤの汚れをきれいに洗い流します。
なくても作業できますが、シャワーで広範囲に噴射できるので時短になります。
柄付きブラシ
柄付きブラシで保管前のタイヤの汚れを洗い流します。
水が跳ね返ってくるので、柄付きでないと服が濡れます。
②作業前の準備
タイヤ交換を短時間でスムーズに行うため、事前準備は欠かせません。
当たり前ですが、タイヤの移動は転がすとラクです。
3.タイヤ交換の手順とコツ
タイヤ交換の手順とコツを1つずつ順番に説明します。
- STEP1ナットを少し緩める
- STEP2ジャッキで車を持ち上げる
- STEP3ナットを緩めタイヤを外す
- STEP4交換タイヤを取り付ける
- STEP5ナットを仮締めする
- STEP6ジャッキを下ろす
- STEP7ナットを本締めする
- STEP8タイヤを全て交換して終了
STEP1.ナットを少し緩める
クロスレンチでナットを反時計回りに回して少しだけ緩めます。
後で外しやすくするためなので、この段階ではナットが半回転~1回転ほど回ればOKです。
筆者の車両(スズキハスラー)は、ホイールナットのサイズが19ミリなので、クロスレンチのソケットも19ミリを使用しました。
STEP2.ジャッキで車を持ち上げる
ジャッキアップして車体を持ち上げます。
まずは車体の下にあるジャッキアップポイントを見付けます。
中央の黒い取っ手のような箇所がジャッキアップポイントです。
ジャッキアップポイントに油圧式ジャッキを当て、ハンドルを上下させて車体を持ち上げます。
ジャッキアップするときは、地面スレスレではなくタイヤが2~3cm浮くくらいにし、高さに少し余裕を持たせておきます。
スタッドレスタイヤは溝が深くてタイヤのフチが角ばっていることが多く、同じサイズのノーマルタイヤより少し大きい場合があるので、タイヤが地面につかえないようにするためです。
STEP3.ナットを緩めタイヤを外す
クロスレンチでナットを緩めて外します。
1個ずつ外すと残ったナットに負荷がかかるので、全体を少しずつ緩めながら外すと良いです。
ハブボルト(付け根部分)に負荷がかからないよう、両手でゆっくり手前に引き寄せてタイヤを外します。
STEP4.交換タイヤを取り付ける
交換用のタイヤを両手で持ってゆっくり取り付けます。
ハブボルトとネジ穴の位置を合わせるように確認しながら行います。
STEP5.ナットを仮締めする
タイヤがグラグラしないように手で押さえながら、軽く手で仮締めします。
全てのナットを取り付けたら、ここからはクロスレンチを使います。
タイヤのガタつきがなくなるまで、クロスレンチでナットを締めます。
ナットを1個締めたら次はその対角線上にあるナットを締めると効率的です。
また、タイヤがグラつかないよう奥までしっかり押さえた状態で締めます。
STEP6.ジャッキを下ろす
車体の下に人や工具がないことを確認してから、ジャッキを操作して車体を下ろします。
ジャッキダウンは簡単に一気に下りてくるため、ジャッキの操作はゆっくり慎重に行います。
STEP7.ナットを本締めする
トルクレンチでナットを本締めします。
まずはトルク値を設定します。
筆者の車両(スズキハスラー)の締め付けトルクは85N・m(870kgf・cm)です。
また、ホイールナットのサイズは19ミリなので、トルクレンチのソケットも19ミリを使用しました。
トルクレンチを使うと、ナットを適正トルクで簡単に締め付けることができます。
締め付けトルクが強すぎるとハブボルトが折れたり、逆に弱すぎると走行中にナットがはずれることがあります。
STEP8.タイヤを全て交換して終了
全てのタイヤを交換して作業は終了です。
ここまでの作業が約30分だったので、タイヤ1本に約8分かかった計算です。
4.タイヤ交換後にやるべきこと3選
タイヤ交換をした後に必ずやっておくべきことを3つ紹介します。
①タイヤ溝の小石を除去
タイヤの溝には、走行中に挟まった小石がところどころにあります。
小石を放置するとパンクしたり走行中にはじけ飛んで人や物に当たって危険です。
タイヤの性能にも影響するので、マイナスドライバーでタイヤの溝の小石を取り除きます。
画像はノーマルタイヤのものですが、柔らかく溝が深いスタッドレスタイヤはより小石が挟まりやすいです。
②タイヤの水洗い
シャワーノズルと柄付きブラシでタイヤを水洗いします。
特にタイヤの裏側はサビやすいので、細かい部分まで丁寧に磨きます。
水洗いしただけですが、洗う前後で見た目がまったく違います。
タイヤの表側を洗って作業終了です。
後はタイヤを完全に乾かして春まで車庫で保管します。
③タイヤの空気充填
最後に交換したタイヤの空気を充填します。
筆者のタイヤはイエローハットで購入したので、近くの店舗に行って無料で窒素ガスを充填してもらいました。
ガソリンスタンドで給油したついでに空気圧をチェックしてもらうこともできます。
5.おわりに
この記事では次のことを紹介しました。
- 自分でタイヤ交換する3つのメリット
- 自分でタイヤ交換する手順とコツ
- タイヤ交換の後にやるべきこと3選
車のメンテナンスのうち、タイヤ交換は自分で簡単に行える作業です。
特にタイヤが小さい軽自動車なら、準備から片付けまで約1時間です。
自分で交換することでタイヤのひび割れ、溝の減り具合、汚れ等が気になり、これまで以上に車を大切にしようと思えるでしょう。
この記事が自分でタイヤ交換にチャレンジしてみたいという方のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
以下の記事では、おすすめの軽自動車「スズキハスラー」の7つの魅力を紹介していますのでぜひ併せて読んでみてください。
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