
「雨でもリフトは動く?」
「雨の日はどんな服装で滑る?」
「雨の日スノボのメリットは?」
この記事では、スノーボード歴20年以上の現役インストラクターが次のことを紹介します。
楽しみにしていた週末のスノーボードが雨だったらテンションが下がってしまいますよね。
でも、雨の日のスノーボードには多くのメリットがあります。
この記事を読めば、雨の日でも快適に滑るための服装や道具、準備のポイントが分かります。
雨の日のスノーボードに不安がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.リフトは動く?

雨の日でもリフトは動きます。
リフトが止まる原因は、多くの場合、雨ではなく風です。
ペアリフトの運航基準は、スキー場ごとに異なりますがおおむね以下のとおりです。
風速15mは時速54km、風速18mは時速65kmです。
ちょうど走る車から手を出したときに感じる風の強さと同じくらいですね。

強風でなければリフトは動くんだね。

基本的に雨でリフトは止まらないよ。
2.雨の日のメリット
雨の日スノーボードのメリットを3つ紹介します。
①リフト待ちが激減

一番のメリットは、ゲレンデが空いていることです。
雨が降ると多くの人が休憩所に避難し、中には帰る人もいます。
ゲレンデが空いてリフト待ちがほとんどなくなるので、たくさん練習できます。
人とぶつかる危険も減り、ゲレンデ幅を使ったターンなど、普段できない練習に挑戦できるのも魅力です。

コースを思い切り横切っても人にぶつかる心配がなさそう。

検定種目(バッジテスト)のロングターンは、横30m×縦100mの広さが必要だから人が少ないのはありがたいね。
②カービングしやすい

2つ目のメリットは、カービングターンがしやすいことです。
圧雪バーンにはかないませんが、雨の日は思ったよりボードが走ります。
また、雨で雪が柔らかく、エッジがよく噛んで板がズレにくいです。
適度に柔らかい雪はエッジの入りが良く、板を立てた状態を保ちやすいので、カービングターン向きです。

前足に乗りすぎるとノーズが刺さってバランス崩しちゃうから気をつけて。

うん。でも雪が柔らかくてコケても痛くないから全力で攻められるね!
③万能ボーダーになれる

3つ目のメリットは、どんな雪面状況にも対応できる万能スノーボーダーになれることです。
晴れや雪の日と同様、雨の日はさまざまな天候の中の1つに過ぎません。
また、1日の中でも雪面状況は変化します。
朝のカチカチのアイスバーンが、午後には春のシャバ雪に変わることもあります。
スノーボード上級者とは、さまざまな天候や雪質、斜度に応じて滑り方を自在に変えられる人です。
また、上級者ほど雨の日対策を十分に行っています。
雨の日のスノーボードは、自分の経験値を高め、万能スノーボーダーへと成長するための貴重な機会です。

これが雨の日スノボの最大のメリットだね。

めざせ、万能スノーボーダー!

競技大会やバッジテスト、インストラクター検定の合格を目標にしている人は、雨の日でも練習しなければなりません。
大会や検定会は、どしゃ降りや吹雪など余程の悪天候を除いて開催されます。
条件はすべての参加者に平等で、不合格の理由を天候や雪質のせいにはできません。
雨の日のスノーボードは、本番が雨だったときのリハーサルと考えましょう。
3.雨の日スノボ5つの対策

スノーボードがどれだけ好きでも、ウェアやブーツの中がびしょ濡れでは楽しさが半減します。
雨の日はしっかりと防水対策をしましょう。
雨の日でも快適にスノーボードを楽しむための5つの対策は以下のとおりです。
①レインウェア

1つ目の雨対策は、レインウェア(カッパ)です。
使い方は簡単で、普段のウェアの下に着るだけです。
私は10年以上、モンベルの「レインダンサー」を愛用しています。※mont-bell公式サイト
レインダンサーは、ゴアテックスという防水性と透湿性を兼ね備えた機能性素材を使っています。※GORE-TEX公式サイト
これを着れば、どんな激安ブランドのウェアでもインナーが濡れることはありません。
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「レインダンサー」は、モンベルのゴアテックス製レインウェアの中で最も安く、最も丈夫な一着です。
ホームセンターの「上下セット3,980円」のように安くはありませんが、雨の日の自転車通勤や防寒・防風対策などの普段使いもできるので汎用性が高いです。

ゴアテックス製のスノボウェアだと普段使いできない…。

レインダンサーならスノボ以外でも年中使えるし、コスパ最強だよ。
②ブーツインナーカバー

2つ目の雨対策は、ブーツインナーカバーです。
普段使っているブーツインナーに装着するだけで、靴下やインナーが濡れることはなくなります。
また、足先の冷えや水濡れの不快感が大幅に軽減される上、使用後のブーツの乾燥時間も短縮できます。
私はタオテックのブーツインナーカバーと、エビスのブーツインナーソックスを愛用しています。
※TAO TECH公式サイト
※eb’s公式サイト
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どちらの商品も縫い目にシームテープ加工が施されており、防水性と強度に優れています。
節約重視の方はスーパーのナイロン袋で代用できますが、滑りやすくインナーが中で動くので、私はおすすめしません。

ブーツの中が濡れると心が折れる。

ストレスなく練習するためにブーツの中濡れ対策は大切だよ。
③防水グローブ

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3つ目の雨対策は、防水グローブです。
ショーワグローブの「テムレス」は、安価ながら高い防水性と透湿性を持ち、軽くて蒸れにくいです。※SHOWA公式サイト
テムレスを着用すれば、水濡れによる不快感や指先の冷えを防げるので効果は抜群です。

テムレスのままでも滑れますが、見た目と防寒のために普段使いのグローブを重ねるのがおすすめです。
青色テムレスはホームセンターで安く購入できるので、お試し用に最適です。
また、裏起毛の「防寒テムレス」もあるので、極寒地や冷え性の方はチェックしてみてください。
防寒テムレスは厚みがあり重ねにくいこと、そもそも濡れなければ冷えないことから、私は使っていません。
通常のテムレスで十分です。

とりあえず安く入手できる青色テムレスを試してみよう。

テムレスの快適さを知れば、きっと手放せなくなるよ。
④防水スマホケース

4つ目の雨対策は、防水スマホケースです。
雨の日はスマートフォンが濡れるので、100円ショップの防水スマホケースに入れておくと安心です。
特に写真や動画をよく撮る人は、内ポケットだとスマホが取り出しにくいので、防水ケースを使って外ポケットに入れるのがおすすめです。
Ziploc(ジップロック)などでも代用可能です。


スマホ以外にも、車の鍵やお金も防水ケースに入れておくと安心だね。
⑤ゴーグル

5つ目の雨対策は、ゴーグルです。
雨の日にゴーグルなしで滑ると、雨粒が目に入って視界が悪く危険です。必ずゴーグルを装着しましょう。
レンズは暗い色(黒など)ではなく、クリアやオレンジ、ピンク、イエローなど明るい色がおすすめです。
水分の拭き取り、曇り止めの使用
一番厄介なのは、レンズの曇りです。
雨の日はレンズ内に湿気がこもって曇りやすいです。
こまめにゴーグルクロスで水分を拭き取る、曇り止めを使用するなど対策をしましょう。
もし古いゴーグルがあれば、車に常備しておくとメインのゴーグルが曇ったときに交換できて便利です。

それでも曇るときは…
もしゴーグルがすぐに曇るときは、上部のメッシュ(スポンジ)を確認してみてください。
剥がれや破れがあると、そこから雨が侵入して曇りの原因になります。
100均の「すきまテープ」で簡単に補修できます。


見た目は悪いけど、雨の日に人のゴーグルを気にする人はいないもんね。

古いゴーグルでも補修すれば予備として十分使えるよ。
4.お尻の冷えを防ぐコツ
雨の日のゲレンデでは、レインウェアを着用していても、お尻の冷えが不快感や疲労につながることがあります。
これは、濡れたリフト座面に座ったり、転倒時に尻もちをついたり、バインディング装着時に座ったりすることで、お尻が濡れたり冷えたりする機会が多いためです。
快適に滑るためには、以下の対策がおすすめです。
①立ったままボードを装着する
リフトを降りた後、座らずに立ったまま後ろ足をビンディングに装着すればお尻が濡れません。
安定した平らな場所や柔らかい雪の上を選べば簡単に”立ち履き”できます。
慣れれば素早く装着できるようになり、上級者らしく見えるのもメリットですね。
②ケツパッドを着用する
ウェアの中にお尻用のプロテクター(ケツパッド)を装着すると、転倒時の衝撃やリフト乗車中の座面の濡れから冷えを軽減できます。
安全対策としても効果的なので、普段からプロテクターを着用することをおすすめします。
これらの対策を実践することで、雨の日でもお尻の冷えを防ぎ、より快適にスノーボードを楽しむことができます。


これでストレスが減って思い切り練習できそうだね。

「立ち履き」と「ケツパッド」は、天候に関係なくいつでもおすすめだよ。
5.大雨なら滑らない

雨の日のスノーボードにはメリットや快適に滑る対策がありますが、どしゃ降りでは滑るのを控えましょう。
いくらゲレンデが空いていても視界が悪く危険です。
雨以外でも、吹雪やガスで視界が悪いときは、よく注意して滑るか休憩し、無理をしないようにしましょう。

以前、強風と雨、雷でリフトが止まったことがあったなー。

雷なんて、怖くて練習どころじゃないね。
6.まとめ

この記事では、雨の日にスノーボードをするメリットと、快適に楽しむための対策を紹介しました。
雨の日でもリフトは動き、しっかりと雨対策をすれば十分に楽しめます。
雨の日のメリットは以下の3つです。
- リフト待ちが激減
- カービングしやすい
- 万能ボーダーになれる
快適に楽しむための対策は以下の5つです。
これらの対策は、いつもと同じウェアやブーツを使うので見た目は変わりません。
カッパを着たり、ブーツのインナーにカバーをかぶせるなど、手間もかからず簡単です。
たとえ雨でも、しっかりと対策をして自分なりの楽しみ方を見つけましょう。
以下の記事では、雨の日スノボの体験談を紹介していますので、ぜひご覧ください。
コメント
メインゲレンデは、広島ですが、
小雨はおおいですが、土砂降りの経験はありません。
豪雪地帯には分類されますが、年々温暖化が進んでおり。
広島のゲレンデがパウダーを経験できるのは、滑りいくタイミングもありますが数年に1度程度で、基本はシャーベット状で、
夕方になればボコボコ、カチカチで初心者には劣悪な環境といって過言ではありません。また、人工雪でこおりであり、エッジがかかりにくかったり。
そんな中、フラット3やファイブ5の座り込みディフェンスや人工過密状態で滑ることあり。
新潟の苗場や北海道に行った時に、
環境がよすきで、現地の人に抜くのめっちゃ上手いですねと言われた事あります。
いやー広島はこれぐらいじゃないと滑れんですと。
確かに北海道では、人もいないし、
めっちゃバウダーでボコボコに詰まったりなどないから、めっちゃくちゃうまくなった気がします。
悪い環境はあながち悪いことではない、
たまにエッジ抜けして大ゴケしますが、
正直いまでは、ゲレンデコンディション的に無理とおもいますが、
腕カバーしようと必死でした。
それが上達につながったとおもいます。
今は、ウェイトハンデが大きくパワーウェイトレシオが下がり気味です!
ジャスティスさん、コメントありがとうございます!
「悪い環境はあながち悪いことではない」
「それが上達につながった」
デメリットさえもメリットに変えてしまう前向きな姿勢、私も見習いたいと思います。
記事にも書いていますが、天気が良いとき、バーンの状態が良いときだけ滑るのがスノーボードではありません。
まさに「ゲレンデコンディションが悪くても、そのコンディションの中でできることをやる」を実践してこられたのですね。
それにしても苗場や北海道など “ウィンタースポーツの本場” で現地の方から「めっちゃ上手いですね」なんて一度でも言われてみたいものです(^^)
ちなみに私は鳥取の「だいせんホワイトリゾート」などによく行きます。
これまで、雪質が良くシーズンも長い苗場や北海道がうらやましいと思っていました。
でも、広島のことを聞いて、今の自分の環境は恵まれているのかな、と思うことができました。
広島のスキー場には、以前一度だけ行ったことがあります。
「ドルフィンバレイ」というスキー場で、確かオールナイト営業がありました。
朝まで滑って最高に楽しかった記憶があります。
今シーズンももうすぐ始まりますね!
ケガなく楽しい最高のシーズンになりますように(^^)