「雨の日は靴下までびしょ濡れ…」
「専用のカバーがあるって聞いたよ」
「おすすめの防水カバーはどれ?」
この記事では、スノーボード歴20年以上の現役インストラクターが次の内容を紹介します。
スノーボードブーツのインナーが濡れると不快で、練習意欲も下がりますよね。
専用のインナーカバーがあるのは知っているけど、いろんなブランドがあってどれを選べばよいか迷ってしまいます。
そんな悩みを解消するため、3種類の防水インナーカバーを自腹購入して徹底比較しました。
私が実際に使用した感想を交え、最後におすすめの1点を紹介しますので、ブーツの濡れ対策で困っている方はぜひ参考にしてください。
1. 防水インナーカバーとは?
ブーツインナーカバーは、スノーボードブーツのインナー部分に装着して、水や雪の侵入を防ぐ防水アイテムです。
特に春のベチャ雪や雨の日に活躍し、インナーの濡れを防ぎ快適さを保つだけでなく、ブーツの寿命を延ばす効果もあります。
濡れた靴下の不快感や生乾きの臭い、雑菌の繁殖、冷えによる練習意欲の低下を防ぎ、防水・透湿・防寒性能で快適な滑りをサポートします。
メーカーによって「インナーカバー」「インナーソックス」「ドライソックス」など名称は異なりますが、基本的な機能や使い方は同じです。
どんなときに使うの?
インナーカバーは雨の日はもちろん、晴れでも気温が高く雪がベチャベチャになりやすいときにおすすめです。
ただし、気温が低く雪が溶けない晴天や曇天の日には不要な場合もあります。
特に雨の日や春スキー・春スノボでは必須のアイテムと言えるでしょう。
どうやって使うの?
- ブーツのインナーを取り出す
- インナーにカバーをかぶせる
- インナーをいつもどおりアウターに入れる
インナーにカバーを装着
そのままブーツに入れるだけ
使用するメリットとデメリットは?
インナーカバーは、防水性や快適さを向上させる一方で、装着時の手間やフィット感などに課題があります。
メリットとデメリットを把握して、自分の用途やスタイルに合うか判断してください。
装着に手間がかかるなどデメリットはあるけど、快適にスノボが楽しめる必須アイテムだよ。
2. 比較・評価方法
①比較する3ブランド
今回、スノーボード用品を販売する3ブランドの防水インナーカバーを実際に自腹購入し、使用感を徹底レビューしました。
②評価方法
次の6個の評価項目により、それぞれ点数を付けて比較・検証しました。
- 防水・透湿性
縫製や防水性能、蒸れ具合をチェック - 耐久性
素材の厚みや耐久性を検証 - フィット感
サイズ展開や装着時のグリップ力を評価 - 使いやすさ
着脱や使用後の手入れのしやすさを検証 - デザイン
カラーバリエーションや見た目を比較 - 価格
コストパフォーマンスを考慮
①防水・透湿性
縫製や特殊加工をチェック
水をかけて防水性をチェック
縫製や加工方法を目で見て確認し、ほつれがないかをチェックしました。
さらに、インナーカバーに水をかけて中が漏れないか確認し、実際にスキー場でも使用してインナーが濡れないか検証しました。
②耐久性
素材の厚みや強度をチェック
裏地もしっかりチェック
素材の厚みを指で確認し、耐久性をチェックしました。
今シーズン購入した商品の耐久性は未知数ですが、今後も使用を重ねながら破れやほつれの有無について公開していく予定です。
③フィット感
サイズ展開は十分か
グリップ力をチェック
購入商品やメーカーの公式サイトでサイズ展開を確認しました。
サイズ表記のわかりやすさも評価ポイントに加え、インナーに装着した際の見た目も検証しました。
④使いやすさ
履き口を絞るドローコード
着脱時に便利なツマミ
脱着のしやすさや使用後の手入れの簡単さを検証しました。
ストレスなく装着・取り外しができるか、手軽に洗えて乾かせるかも評価ポイントとしました。
⑤デザイン
カラーバリエーションなどの選択肢も評価ポイントとしました。
目立たないアイテムとはいえ、デザインも評価対象に含めました。
⑥価格
メーカーごとに価格は様々
コスパ最強はどれ?
販売価格を比較し、同じ品質であればより安価な商品を高く評価しました。
インナーカバーは快適な滑りをサポートする補助的なアイテムであるため、コスパの良さを重視しました。
次からは、実際に自分で使ったリアルな感想をお届けします。
3. インナーカバーを自腹購入&徹底比較レビュー
①【eb’s】ブーツインナーソックス
ブーツインナーソックス
1994年設立の老舗ブランド
- 防水・透湿性
シームテープ加工による高い防水性
※シームテープ加工:素材の継ぎ目(縫い目)部分に施す浸水防止の特殊加工
防水・透湿素材でカバー内側は濡れることなく軽い湿気程度
裏地は汚れに強いPUコーティング - 耐久性
十分な厚みがあり数回の使用ではヘタらない - フィット感
SM(22-25cm)、ML(25-28cm)の2サイズ展開
グリップ力があり滑りにくい - 使いやすさ
ドローコードで履き口を調整可能 - デザイン
黒のみ - 価格
3,520円(24-25モデルの税込価格)
25cmにSMサイズだと大きめ
ドローコードは賛否あり
②【TAO TECH】インナーブーツカバー
インナーブーツカバー
2013年設立のブランド
- 防水・透湿性
シームテープ加工による高い防水性
※シームテープ加工:素材の継ぎ目(縫い目)部分に施す浸水防止の特殊加工
防水・透湿素材でカバー内側は濡れることはなく軽い湿気程度 - 耐久性
十分な厚みがあり数回の使用ではヘタらない - フィット感
SM、L-XL、KIDSの3サイズ展開
サイズ表記(丈や周囲長の記載あり)が分かりやすい
グリップ力があり滑りにくい - 使いやすさ
2023シーズンからドローコードでなくゴムタイプに仕様変更
ふくらはぎ部分のツマミにより脱着が簡単 - デザイン
黒のみ - 価格
1,980円(24-25モデルの税込価格)
25cmにSMサイズでピッタリ
ドローコードでなくゴムなのが◎
③【oran’ge】ブーツドライソックス
ブーツドライソックス
白色透明で目立たない
- 防水・透湿性
薄型ビニールクリア素材のため防水性は十分
カバー内側が自分の汗で蒸れやすく通気性は悪い
履き口を絞る機能もなく上部からの水の侵入が心配 - 耐久性
ビニール素材だが意外と厚みがあり丈夫 - フィット感
SM(23-26cm)、ML(25.5-28.5cm)の2サイズ展開
ツルツルしたビニール素材でないためグリップ力はある - 使いやすさ
履き口は広いが立体裁断でないためブーツ形状に合わない
2つに折りたためるのでコンパクト - デザイン
白っぽい透明色 - 価格
1,320円(24-25モデルの税込価格)
インナーにかぶせにくい形状
履き口を絞れず浸水が心配
4. 結果発表!おすすめは「TAO TECH」
3種類のインナーカバーを徹底比較・検証した結果は、以下をご覧ください。
評価項目 | eb’s (エビス) | TAO TECH (タオテック) | oran’ge (オレンジ) |
---|---|---|---|
①防水・透湿性 | 4 | 4 | 2 |
②耐久性 | 4 | 4 | 2 |
③フィット感 | 4 | 5 | 1 |
④使いやすさ | 3 | 4 | 2 |
⑤デザイン | 4 | 4 | 2 |
⑥価格 | 2 | 4 | 5 |
合計得点 | 21 | 25 | 14 |
総合順位 | 2位 | 1位 | 3位 |
最もおすすめするのは、TAO TECHの「ブーツインナーカバー」です。
第1位:TAO TECH(25点)
履き口の絞りやツマミが便利
見た目やサイズも良くコスパ最強
TAO TECHのインナーカバーは防水性、フィット感、価格のバランスが抜群で、最もコスパが良いと判断しました。
第2位:eb’s(21点)
履き口のドローコードは便利
ただしインナー紐に干渉することも
次点はeb’sで、やや高い価格ながら老舗ならではの安定した性能を誇ります。
フィット感や使いやすさ、価格の面でTAO TECHにわずかに及びませんでした。
第3位:oran’ge(14点)
折りたためるので便利
靴底の圧着部分が痛みそう
oran’geは価格が安いものの、耐久性やフィット感に課題があり、あまりおすすめできません。
ソール面が平らでないため、圧着部分が簡単に裂けてしまう印象です。
タオテックの防水カバーは無駄な機能を省いて価格を安く抑えるなど、企業努力をひしひしと感じます。
5. その他の防水インナーカバー
参考までに、スノーボード専用でない靴カバーやナイロン袋も試してみました。
手軽に入手できるので、見た目を気にしない人やとにかく安く済ませたい人にはおすすめです。
①靴カバー
サイズが大きく滑りやすい
履き口の輪ゴムで絞りが可能
スノーボード専用ではありませんが、靴カバーの防水性能は十分です。
ただし、グリップ力がなくツルツル滑る上に通気性は悪いです。
滑走後、いつもカバー内側に水滴がたまっています。
私自身、車に常備しておき、応急処置や使い捨て用として活用しています。
②ナイロン袋
形状がブーツに合わない
見た目重視の人には不向き
簡単に手に入るナイロン袋も手軽に使える選択肢の一つです。
ただし、L字型のブーツ形状に合わず、滑りやすい素材のためフィット感が悪く、滑走に影響する場合があります。
ジャストサイズのブーツならズレが気になりにくいため、試してみるのも良いでしょう。
③【eb’s】ブーツインナーソックス HQ
eb’sの「ブーツインナーソックスHQ」は、耐久性や防水透湿性に優れた高品質モデルです。
カラー展開も豊富(4色)でデザイン性が高いですが、価格がやや高めなのがネックです。
防水カバーは確かに重要なアイテムですが、ブーツ内で擦れやすく、汚れや臭い、雑菌が繁殖しやすい性質上、長期使用を前提に高価なものを買う必要はないと考えています。
2,000円程度の品質の良い商品を2~3年ごとに買い替えるのが最適で、コスパにも優れています。
靴カバーやナイロン袋はお試し用や予備用として、HQは予算に余裕があって品質やデザインにこだわりたい人におすすめです。
6. おわりに
この記事では、以下の内容を紹介しました。
今回紹介したブーツインナーカバーについては、今後も継続して使用し、耐久性や蒸れ具合などを検証してその結果を公開したいと思います。
この記事が、スノーボードブーツの中濡れ対策にお悩みの方、インナーカバー選びに迷っている方の参考になれば幸いです。
ブーツ以外の雨対策や濡れ対策は、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
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