この記事では、スノーボード歴20年以上の現役インストラクターが、スノーボードの上達に役立つおすすめの書籍「JSBAスノーボード教程」を紹介します。
・全192ページ
・価格:2,400円(税別)
・発行日:2008年9月
・著者:日本スノーボード協会(JSBA)
・発行所:(株)山と渓谷社
1.「JSBAスノーボード教程」ってどんな本?
「もっと多くの人へ、喜びと楽しさを伝えたい」
引用元:日本スノーボード協会著『JSBAスノーボード教程』(3頁)
JSBAスノーボード教程は、上記のスローガンのもとJSBA(日本スノーボード協会)により執筆されたスノーボードの教科書です。
スノーボードの用語、技術、指導方法などが丁寧に分かりやすく説明されています。
既に発刊から約15年経過していますが、技術が進歩した今でも十分通用する充実の内容です。
むしろスノーボード教程のおかげで日本のスノーボーダーの滑走技術が進歩したと言っても過言ではありません。
2.改訂版が出るからこそ再読した
スノーボード教程の改訂版が発刊されるという話が以前からあります。
それは来年か、再来年か。
まだ詳細な時期は不明ですが、早く最新の内容を見てみたいです。
改訂版が出たらもう読むことはないかもしれません…。
だからこそ今回、この本を改めて読み直してみました。
そして、再読してこの本のすごさを改めて実感しました。
次からは「スノーボード教程の3つの魅力」を紹介します。
3.スノーボード教程の3つの魅力
①誰もが満足!内容の幅広さ
1つ目は、誰もが満足できる内容の幅広さです。
スノーボード教程では、ターンの仕組み、種類、滑り方はもちろん、スノーボードをこれから始める初心者がターンができるまでにどんな練習をどんな順番で行えばよいのか丁寧に説明しています。
また、滑る人のレベルや目指すスタイルを問わず、多くの人が満足できる幅広い内容が収録されています。
さらに後半では、ケガの手当や冬山の天候、雪崩の知識、チューンナップのことにまで触れています。
初心者・初級者
初心者・初級者は、道具やセッティング、ボードのつけ方、転び方、リフトの乗り降り、サイドスリップ、木の葉、ノーズドロップ、連続ターンなどを順番に学ぶことで無理なくステップアップできます。
中級者・上級者
中級者・上級者は、スライドターンやカービングターン、グラトリ、キッカー、コブ斜面、新雪でのパウダーランなどを学ぶことで、スノーボードの奥深さや新たな楽しみを知ることができます。
インストラクター
インストラクターは自らの技術の向上に役立つことはもちろん、教える側の視点に立ってこの本を読むことで、分かりやすい説明や適切なサポートができ、より質の高いレッスンを行えるようになります。
全ての人におすすめ!
スノーボード教程は初心者から上級者まで全てのレベルの人におすすめです。
スノーボードを教わる側、教える側両方の視点で読めるところも面白いです。
ただし、流行のウェアやグラトリにおすすめの板などは載っていませんのでご注意を。
②いつでも新発見!内容の深さ
2つ目は、読むたびに新しい発見がある内容の深さです。
読み手の滑走レベルや目標に応じて得るものや感じることが毎回変化します。
以前読んだときは全く気にならなかったところが妙に引っ掛かったり、以前は意味不明だったところが急に「そういうことか!」と理解できたりします。
前半45%は基礎、88ページからやっと連続ターン!
スノーボード教程は全192ページですが、なんと、読む人がもっとも知りたいであろう連続ターンの説明は88ページからです。
87ページまでは、初心者が板を装着してから連続ターンに至るまでの基礎を、これでもかというくらい細かく分解して説明しています。
この内容が、まるで海の底のようにとても深いです。
とはいえ基礎にページの大半を割いているからといって、上級者やインストラクターに関係ないかと言えば、全くそんなことはありません。
とにかく基礎が大切ということ
今回スノーボード教程を読み直して、いかに基礎が大切かということを再認識しました。
基礎には先人たちの知恵や経験が詰まっています。
また、基礎のおかげで必要な動作が体に染み付き、無意識に動けるようになります。
何より基礎ができていなければ、応用を利かせることはできません。
応用は基礎の積み重ねです。
③文字と写真で全て伝える表現力
3つ目は、文字や写真だけで全て伝える表現力です。
これだけ幅広く、複雑な内容を文字や写真だけで読む人に伝えるのは難しいことです。
にもかかわらず、初心者でも理解できるような分かりやすい内容で、執筆者の表現力の高さ、言葉の引き出しの多さには驚くばかりです。
ほぼ全てのページに図やカラー写真が載っていて、誰でも簡単に頭でイメージできます。
執筆に関わった人の努力と「スノーボードの魅力を伝えたい」という熱い想いがひしひしと伝わってきます。
自分で考えるクセが身につく
文字や写真からその意味を読み取り、想像力を働かせることで、自分で考えるクセが身につきます。
言われたことの意味を理解しないで、ただ練習を繰り返すだけでは、いずれ壁に当たります。
自分の頭で考えて整理することは、スノーボードの上達に何よりも大切なことです。
特にインストラクターは、レッスンなどで受講者に言葉で説明しなければなりません。
日ごろから「自分の頭で考える」ことが必要不可欠です。
スノーボーダー自身が完成させる本
スノーボード教程は、重要なところが太字ではありませんし、下線も引いてありません。
初めて読んだときに「なんで不親切なんだ」と感じる人がいるかもしれません。
これは「不親切」ではなく、読者に「ここだけが重要」という誤解を与えないための配慮だと思います。
自分にとって重要なところを自分で見つけ、自分で線を引いたり書き込んで本を作っていく。
スノーボーダー自身が完成させる本、それがスノーボード教程です。
4.悩み、壁にぶつかり、スノーボードに飽きた人へ
スノーボード教程は、バッジテストやインストラクター検定の合格を目標とする人だけの本ではありません。
スノーボードの上達に悩み、壁にぶつかっている人は、本書を読むことで打開策や壁を打ち破るヒントを必ず見つかります。
スノーボードに飽きてしまった人は、まだまだやること、できることがたくさんあると気づくでしょう。
スノーボードの本当の楽しさを知らないままやめてしまうのはもったいないです。
バッジテストやインストラクター検定を受ける人はもちろん、スノーボードの上達を目指す全ての人にぜひ読んでいただきたいです。
5.おわりに
今回は、
「JSBAスノーボード教程」
を紹介しました。
本だけでは分からない!という方には、同タイトルのDVDがおすすめです。
・本編57分
・価格:4,000円(税別)
・発行日:2008年9月
・監修:日本スノーボード協会(JSBA)
・製作発行:(株)山と渓谷社
- 文字や写真だけでは分かりにくい
- 動きの量や方向、タイミングを詳しく知りたい
- 本で学んだ内容を映像で見て答え合わせをしたい
こういった方は、DVDを補助的に活用することで理解度がよりアップします。
この記事がスノーボードを長く楽しみ、更なる上達をめざす方の参考になれば幸いです。
以下の記事では、インストラクターになるためには何をしたらよいのか解説しています。
インストラクター検定やバッジテストの合格に役立つDVDも紹介していますので、ぜひご覧ください。
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